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病院長ごあいさつ


杉浦院長

病院長 杉 浦 嘉 泰

 国立病院機構福島病院のホームページを御覧いただきありがとうございます。
 当院は、昭和16年に創設された国立郡山病院と昭和17年に創設された国立療養所福島病院が、平成16年の独立行政法人化に伴い統合され、現在の独立行政法人国立病院機構福島病院となりました。

 これまで、小児科専門医による重症心身障害児(者)医療と、一般病棟での内科、整形外科診療に取り組んでまいりました。重症心身障害児(者)病棟は平成25年3月に新病棟120床を整備し、平成28年10月には44床を増床、令和3年5月に更に6床を増床し、併せて170床の運営により福島県全体の需要に応じた療養介護サービスを提供しております。当院の重症心身障害児(者)医療の大きな特徴は、NICUでの診療経験が豊富な小児科専門医による、ポストNICU、ポストPICUとしての役割を担っていることであり、乳児期からのお子さんの入院にも対応しております。短期入所サービスやレスパイト入院など、在宅医療介護の支援を積極的に推し進めております。また、遠方から面会に訪れるご家族のために院内に宿泊室を設けるなど、患者さんとご家族のつながりをとても大事にしております。

 以上の重症心身障害児(者)医療,内科,整形外科診療に加え、平成29年10月から脳神経内科診療が始まり、平成30年4月から神経内科専門医3名体制で脳神経内科診療に取り組んでおります。当院へ赴任するまでの25年間、福島県立医科大学神経内科学講座で神経・筋疾患の診療に携わってまいりましたが、本県では神経内科医が未だ少なく、慢性期の神経難病の患者さんを、神経内科医が長期的にフォローできる施設が限られておりました。このため、外来通院が困難となった慢性期の神経難病の患者さんに、長期的に神経内科医が関わる機会が十分とは言えませんでした。当院脳神経内科では、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症といった神経変性疾患や多発性硬化症など神経難病を中心に、神経疾患の診断と治療を進めてまいります。中でも、慢性期の神経難病の患者さんの薬剤調整あるいはリハビリテーション目的の入院療養や、在宅療養されている患者さんのレスパイト入院といった地域に根付いた神経難病診療は、重症心身障害児(者)医療とともに、政策医療を担うべき国立病院機構という当院の特色を生かした重要な柱と考えております。

 わが国は超高齢化社会を迎え、高齢者人口の増加に伴い、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症等の神経変性疾患の患者数は年々増加しております。当院ではCTやMRIといった画像検査に加え、末梢神経伝導検査、筋電図、誘発電位等の神経生理学的検査も本格的に稼働し、総合的に神経疾患の診断と治療ができる体制を整えております。

 氏家前院長が築かれた、小児科のチームによる重症心身障害児(者)診療と、脳神経内科による神経難病診療の二本柱で、「納得の医療で地域や社会に貢献」の病院理念に基づき、地域の医療に貢献できるよう努めて参ります。